鈴川の歴史


10、大野目と浜田というところ  
 国道十三号バイパスが開通して多くの会社や店舗、住宅が立ち並び、急ににぎやかになった大野目と五十鈴地区は、昭和の後半までは田園の真ん中でした。元は大野目村と言ったところです。

★大野目村
  鈴川村と千歳村が山形市と合併したのは昭和十八年四月一日のことです。
 これ以前、明治二十二年、鈴川村は次の六カ村が合併してできた村です。
   双月村  印役村  上山家村
   下山家村  高原村(元植野・植木村)
   大野目村(浜田はその枝村)
 その時の大野目村は人口四〇四名(戸数六〇戸)で鈴川では最も北に位置し、農業のほか大野目傘造りという特殊産業があり有名でした。
 本来不便な村でしたが、明治の中頃、大野目街道という真っ直ぐな道路が開通してからは便利となり、二口街道もここを通るようになりました。


★大野目村は今
  国道の開通・大野目吉野宿線(今のときめき通り)の開通、北隣には山形流通センターや、ビッグウイング等の建設と交通網が整備されつつありますが、そこには東北自動車道と山形北インターチェンジも置かれ、あまりの目まぐるしい変化に本来の美しさ、古さは忘れがちですが、大野目こそゆかしい古里の中心であるのかもしれません。
 野伏山(館山)それに大岡山をはじめとする山々の美しさ、その山麓にある上の原・高原・お花山などの古墳群は、かつての日のこの地の残照であって、それに継ぐ遺跡や文化財も豊富に残っています。
 大野目という古い地名が物語るように、今また大きな目になりつつある町ということができるようです。

 ◆浜田薬師堂・・・歴史マップ19を参照 
  またの名を「十二神将薬師如来」といいます。昔は出羽三薬師と言われたようで、この薬師堂を中心に、南に山形薬師堂、北に風間薬師堂がほぼ等間隔に、しかも一直線上にあるのも、何か意味ありげに思われます。
 宝暦九年(一七五九)十一月、大野目村組頭や庄屋の連名で時の役所に提出した薬師堂に関する覚書なども残っており、御朱印十二石五升をいただいた由緒ある浜田の鎮守様です。


◆八貫橋・・・歴史マップ54を参照 
  二口街道に在って野呂川に架橋してます。大正時代までは山寺石を使用した橋でしたが次々と洪水に見舞われ現在の橋になっています。
 橋の名称は銭八貫文で完成したのでこの名がついたとの伝承があります。
 明治大正時代までは、山寺方面に行く重要な橋であったと言われています。

 ◆伊豆神社・・・歴史マップ13を参照 
  江戸時代までは大日堂として祀られていましたが、やはり廃仏毀釈令によって大日堂改め伊豆神社として県に申請されて現在に至っています。しかしこの伊豆神社の社名はどこから来たのか不明です。
 現在の祭神は大山祇命です。境内には江戸時代から地蔵庵があって金勝寺の弟子達の隠居との庵寺とも言われていました。
 もう、庵寺もなくなって、大野目東集会所が建てられています。

★甲洪水の死者供養塔 
  伊豆神社の裏手には、馬見ヶ崎川の洪水による犠牲者の供養塔が建っています。ことに、「甲申(きのえさる)」の大洪水は、双月・山家・大野目・印役など広範囲に大損害を与えたことは前に述べたとおりですが、その際洪水が押し寄せて犠牲者がでたところに建てられた供養碑が随所に見られます。
 大野目町地蔵庵の六字名号「南無阿弥陀仏」のこの碑には大野目地区で亡くなった童女の名が刻まれています。

 碑には
  文政七年申八月十五日大洪水で溺れ死す
     願主 当村中同念仏童女
      志ゅん、とく、もゑ、もい
   申洪水 文政七年≪一八二四≫

と書かれています。その他六〜七基の石仏も建立されています。

 ◆法華経題目御宝塔・・・歴史マップ52を参照
  明治二十四年、妙了山大宝寺の日行上人と、明治四十五年佐渡島の塚原山根本寺の四十三世日静上人の筆による髭題目「南無妙法蓮華経」と刻んだ塔で、塔の下には何れも一字一石に法華経の一字を写経して埋め込んで供養した塔です。
 印役の故加藤龍蔵さんが中心となって、講中の人達が建立したもので印役寺前バス停の所にあります。

★その他の遺跡 
  その他鈴川の史跡として、沼の辺湖畔に建つ太平洋戦争戦没者慰霊碑、印役堤防上の、日清・日露の戦没者慰霊碑などの標柱のないものがあります。五十鈴公民館の前には休石などもあり、これも昔二口街道の諸所にあったもので、旅人や農家の人々が荷物を背負って、一休みした石で、このままではいつか散逸してしまうとの懸念から、移し置いたものです。


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