昭和29年、飯塚村は山形市と合併し飯塚町になりました。
合併後、市の住宅団地が造成されることになりましたが、予定地の入口に木綿取り地蔵が祀られておりました。そのため、住民達が相談して団地のほぼ中央部に移すこととなり現在の場所にあるようです。
木綿取り地蔵は、近くにお住まいの男性が、地蔵さんの掃除をしたりお供えをしたりして下さっていました。
ある日、男性が私に「地蔵さんの首はただの石だよ。私が適当な石を探してすげ替えたのだよ。」と言うので訳をきくと、次のような事でした。
ある晩、男性が友人とお酒を飲んでいると、友人が男性に「木綿取り地蔵の首をくれ」と突然もちかけたそうです。
男性は驚いて断りましたが、友人はあまりにしつこく引き下がりませんでした。
男性も酔いがまわったせいもあり「罰が当たってよければ勝手にしろ!」と一喝してしまいました。
翌朝、目覚めた男性はやけに胸騒ぎを覚え、地蔵さんのところに行ってみると、地蔵さんの首は持ち去られて無くなっていました。
昨晩のことを思い出し、悔んだのですがもう遅かったということです。
持ち去られた地蔵さんの首がどこにあるか現在はわかりません。
どこかでひっそりと眠っているかもしれませんね。
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